学生時代は一日中ピアノを弾いて

学生時代は一日中ピアノを弾いて。一日中、曲の事を考えて、音色の事を考えて。
練習して、練習して。朝から晩まで練習して。
世の中の流行に興味もなく、おしゃれにも興味がなく。
ピアノだけをただひたすら弾いて弾いて。
美しい音色、心を打つ演奏、テクニック。
結果は後からついてくる、と信じて。
レッスンは厳しいなんてものじゃない。毎回恐怖との闘い。

泣かないように、怒られないように練習するしかなかった。
弾きたい曲なんて一度も弾かせてもらえなかった。
良く耳にするような有名な曲をレッスンで教えてもらったことなど一度もない。
難曲ばかり。すぐに初見で弾けるような曲ではない。
私は、天才肌ではないから、譜読みも遅いし、暗譜も弱い。
眠りながらもピアノを弾いた。
とにかく努力。努力しかなかった。
大学卒業まで続いた毎週のレッスン。
良く続けられたなと思う。
あれから四半世紀、なんとなく最近ようやく分かった事がある。
どこまでやってもゴールがない世界だったって事。
音楽は今この瞬間に消えてしまう。
ずっとずっと続けるしかないのだ。